〜鍼灸 経絡治療の生い立ち2〜

〜鍼灸 経絡治療の生い立ち1〜

 

日本人の体質や文化に合わせて独自の発展をとげてきた“鍼灸治療”
国の中心的な医療として栄えてきましたが、
明治維新後、西洋医学が導入され
“科学的根拠に乏しい”という理由で存続の危機におちいります。

鍼灸を本来の医術の姿にもどさなければ
と立ちあがったのが、有名な 柳谷素霊先生。昭和2年のことでした。

“科学的根拠に乏しい”とありましたが、その“科学”というのも
西洋医学的な目線です。
理論も思想も違う分野、土俵が違うのにも関わらず
西洋医学の土俵で鍼灸を説明するというのは
この時代、なんとも酷な話ですよね。

それでも時代の中心は西洋医学。

柳谷先生の他 岡部素道先生、井上恵理先生、竹山晋一郎先生方も中心となり
なんとか鍼灸が本来の姿で後世に残すため、治療方針を確立させようと奮闘します。
その方法は、古人の目線で古典鍼灸を理解し、現代に通用するよう進化させること。
古人の時代的目線で考えなければ、古人が考えていたことが理解できない。
現代に見合った治療法でなくては、伝統を受け継ぐことはできない。

まさに『温故知新』ですね!

古典鍼灸の醍醐味である“経絡”→鍼灸とは“経絡の治療”のこと→『経絡治療』
と名付けたわけです。
経絡治療とは、むか〜しから引き継がれた鍼灸技術を総括した治療法なわけで、

一流一派の限られた人達だけで作り上げたものではないのです。

我が師匠 馬場道敬先生が
経絡治療は鍼灸の流派ではなく“本道”だ!』
とおっしゃていたことが裏付けます。
(馬場先生は岡部素道先生のお弟子さんであられます)

大正から昭和の初期といえば、第一次世界大戦後の金融恐慌に続き
関東大震災、のちに続く第二次世界大戦と
決して裕福な時代ではなかったことはたしかです。

生きることさえも大変であっただろうこの時代に
己の私欲に走らず、世のため人のためと経絡治療を築き上げてくださった
先生方の生き様を思うと、本当に頭が下がります。

鍼灸の可能性を確信する沢山の先生方の熱意と努力によって
現代にも通用する経絡治療は誕生しました。